桜のように・・・
立春を過ぎると、次第に春の気配を感じるようになります。
でも、私たちが本当に「春が来たなあ」と思うのは、
桜の花を目の当たりにする頃ではないでしょうか。
悲しいニュース、暗いニュースが多い中、
「桜前線」は誰しも待ちわびる春の便り。
日本人にとって特別な花「さくら」
今年も「開花宣言」と共に、桜の季節到来です!
桜は本来アジア各地に生息し、日本国内だけでも600種類以上あるのだとか。
ちょっと思い浮かぶだけでも、
1月中旬より熱海などで咲き出す「寒桜」
2月の中旬からは、かわいい濃いピンクの「河津桜」
4月中旬からの「三春の滝桜」
4月からひと月楽しめる圧巻の「吉野の千本桜」
そしてゴールデンウイークの「角館の桜」
是非とも鑑賞したい桜のなんと多いこと!
でも、やっぱり王道はご近所や通勤途中の「ソメイヨシノ」ではないでしょうか。
母校の校庭の桜、近所の公園の桜、菩提寺に咲く桜、通勤途中に見る桜。
そう、桜は様々な生活の舞台で、誰もに優しく「春」を運んでくれるのです。
忙しくて出かけられない人も、病室から愛でる状況の人も、
悩みや心配事を抱えている人も、まさに幸せの渦中にいる人も、
そして卒業や入学、新社会人といった新しい門出の人たちには勿論のこと、
桜は皆に平等に春を運び、優しく見守ります。
「今年も春になりましたよ・・・会いに来ましたよ・・・大丈夫・・・
ずっと応援してます・・・あなたを見守っています・・・来年も勿論会いに来ます」
そしてまた、「お花見」の宴の席を陰ながら盛り上げ、
同僚や仲間の親睦を深めるのにも一役果たしてくれます。
皆さんは、お花見の宴が終わった後の桜、見たことがありますか?
漆黒の夜空に淡いピンク、まさしくほろ酔いの女性のよう、私はこの桜も大好きです。
私は桜の頃に両親を亡くし、同じく春に孫の誕生という、身内の生死を経験しました。
満開の桜の中、授かった命と失くした命、とても感動的で刹那的で、
今となってはこの時期に逝った両親を羨ましく思っています。
桜と共に、家族を思い出せるのは素敵なことだと思うのです。
皆に春を運び、温かく見守り、楽しませ時に盛り上げ、未来を約束して、
そして潔く散る・・・
「桜の花のような女性になれたら・・・」
私は、おこがましくも毎年そんなふうに願っています。